社会保険 vs 国民健康保険:日本で選ぶべきはどちらか?
CEO / 日本生活エキスパート
更新日: 2026年7月24日
生活インフラ
この記事の確認ポリシー
公式情報・提携先ページ・検証済み内容と照合できる範囲で更新します。
最終更新: 2026年7月24日
公式/提携先情報と実務メモを分けます。
料金、審査、書類、制度要件は変わります。
一部リンクは収益化されています。
要確認: 審査、在留資格・税務・法務、在庫/空室、キャンペーン条件は保証ではありません。必ず公式または提携先で確認してください。
Quick answer (30秒でわかる): フルタイムの会社員なら自動的に 社会保険(しゃかいほけん) に加入します。これは健康保険と厚生年金がセットになった制度で、保険料は雇用主とおおむね50/50で折半します。自営業・フリーランス・学生・無職、または加入基準に満たないパートタイマーの場合は、健康保険として 国民健康保険(こくみんけんこうほけん、通称「国保」)、年金として 国民年金(こくみんねんきん) に、それぞれ全額自己負担で加入します。実務上もっとも大きな違いは扶養です。社会保険なら配偶者や子どもを追加の保険料負担なしで扶養に入れられますが、国保は世帯人数ごとに保険料が課されます。また社会保険は国保にはない傷病手当金・出産手当金も支給します。退職時には3つの選択肢(任意継続で最長2年間旧保険を継続する、国保に切り替える、家族の扶養に入る)があり、選び方を誤ると実際にお金で損をします。
免責事項: 一般的な情報であり、税務・法律・保険に関する助言ではありません。保険料・基準額・制度改正の時期は変わるため、決定前に勤務先の人事部、お住まいの市区町村役場、または日本年金機構に必ずご自身の数字を確認してください。
二つの制度、両方加入も未加入もあり得ない
日本は国民皆保険制度を採用しており、3か月以上滞在するすべての在留者は、いずれか1つの公的医療制度に加入しなければなりません。両方に加入することも、どちらにも加入しないこともできません。どちらに該当するかは国籍ではなく、働き方によって決まります。
- 社会保険(社会保険) — フルタイムの会社員および加入基準を満たすパートタイマー。勤務先が自動的に加入手続きを行います。
- 国民健康保険(国民健康保険、通称「国保」) — 残りすべての人が対象です。自営業者、フリーランス、学生、無職の人、退職者、社会保険の基準に満たないパートタイマーが該当します。市区町村役場で自分で加入手続きを行います。
来日したばかりでどちらに該当するかまだわからない場合は、まず新規来日者向け加入ガイドをご覧ください。すでに自分が国保に該当するとわかっている場合は、国保完全ガイドで加入手続き・保険料・2027年のビザ連動支払いルールについて詳しく解説しています。この記事では、あなたがどちらの区分に属するかはある程度わかっている前提で、両制度の比較と選択、特に転職・退職・フリーランスへの移行時の判断に焦点を当てます。
セットになっているものと、なっていないもの
もっとも混同されやすいポイントは、社会保険はセット商品である一方、国保はそうではないという点です。
- 社会保険は、**健康保険(健康保険)と厚生年金(厚生年金)**を1つの給与天引きにまとめています。給与明細でどう表示されるかは給与明細の読み方ガイドをご覧ください。
- 国保は健康保険のみです。社会保険に未加入の場合は、別途国民年金(国民年金)にも加入する必要があります。これは独自の定額保険料を持つ別制度です。「国民健康保険」は年金をカバーしません。加入は2つ、請求書も2つ、どちらにも雇用主負担はありません。
一覧比較:社会保険 vs 国民健康保険
| 社会保険(会社員) | 国民健康保険(国保+国民年金) | |
|---|---|---|
| 対象者 | フルタイム従業員、労働時間・企業規模の基準を満たすパートタイマー | 自営業者、フリーランス、学生、無職の人、基準未満のパートタイマー |
| 加入方法 | 勤務先が自動的に加入手続き | 市区町村役場で自分で加入手続き |
| 含まれる保障 | 健康保険+年金が1パッケージ | 健康保険(国保)と年金(国民年金)は別々の加入 |
| 保険料の負担者 | 勤務先とおおむね50/50で折半 | 全額自己負担、雇用主負担なし |
| 健康保険料の算定基準 | 標準報酬月額の割合 — 2026年度の協会けんぽ全国平均は9.90%、労使折半 | 市区町村が前年の所得を基に、均等割(人数割・世帯割)を加えて算定 |
| 年金保険料 | 厚生年金:18.3%、9.15%/9.15%で折半 | 国民年金:定額 月額17,920円(2026年度)、所得にかかわらず一律 |
| 扶養 | 収入基準以下の配偶者・子どもを追加保険料なしで扶養に追加できる | 扶養という概念がない — 世帯全員に個別に保険料が課される |
| 働いていない配偶者の年金 | 「第3号被保険者」になれる — 保険料0円で加入期間としてカウントされる | 配偶者自身が月額17,920円を全額負担(免除に該当しない限り) |
| 傷病手当金 | あり — 平均日額の約3分の2、通算1年6か月まで | 市区町村の裁量、通常の病気ではほぼ支給されない |
| 出産手当金 | あり — 産前産後休業中に支給 | なし |
| 出産育児一時金 | あり(約50万円) | あり — 同じ給付、両制度の違いにはならない |
| 高額療養費の上限 | 適用される(詳しくはこちらのガイド) | 同様に適用される |
最大の違い:扶養(ふよう)
一つだけ覚えるなら、これだけ覚えてください。国保には扶養という制度がありません。
社会保険では、配偶者や子どもの年収がおおむね130万円未満(60歳以上または一定の障害がある場合は180万円未満)で、かつ被保険者本人の収入の半分未満であれば、その人を被扶養者として登録できます。扶養に入れば全額の保険給付を受けられ、扶養に入った配偶者はさらに第3号被保険者にもなれます — 保険料は0円でありながら、基礎年金の加入期間として積み上がっていきます。給料は一人分、社会保険料も一人分で、世帯全員がカバーされます。
国保には扶養という登録制度がありません。他の制度でカバーされていない世帯員は全員が保険料の対象となり、人数が増えるほど合計額も増えていきます。働いていない配偶者も、減免に該当しない限り自分自身で月額17,920円の国民年金を納める義務があります(詳しくは国民年金の免除・猶予ガイドをご覧ください)。
まとめ: 扶養する人数が多いほど社会保険が有利になる傾向があります。国保は頭数で課金される仕組みだからです。扶養家族のいない単身者の場合は差がずっと小さくなり、収入や自治体によっては逆転することもあります。
⚠️ 2026年4月から、扶養の収入判定基準が変わります。実際の収入や見込み収入ではなく、雇用契約に基づく見込み収入(残業代を除く)で判定されるようになるため、一時的な残業代の増加で扶養から外れる心配がなくなります。この制度が適用される時期になったら、加入している健康保険組合に最新のルールを必ず確認してください。
傷病手当金・出産手当金:社会保険だけの給付
病気で仕事を休むことになった場合、社会保険では傷病手当金として、平均標準報酬日額の約3分の2が、通算1年6か月まで支給されます。国保には原則として同等の制度がありません。市区町村が独自の条例で制度を設けることは法律上可能ですが、実際にはほとんど実施されていません。
出産についても同様です。社会保険は産前産後休業中に出産手当金を支給しますが、**国保の加入者はこれを受け取れません。両制度とも、一時金である出産育児一時金(約50万円)**は共通して支給されます — この2つを混同しないでください。一時金は違いを生みませんが、休業中の所得補償は大きな違いです。
自営業でこのギャップが不安な場合、民間の就業不能保険は、国保にすでにある保障と重複するのではなく、本当に穴を埋めてくれる数少ない民間商品の一つです。
フリーランス・個人事業主:自動的に国保+国民年金
開業届を提出する、あるいはそれ以外の形で自分のために働き始めても、「フリーランス専用の保険」という別の選択肢が生まれるわけではありません。会社員でなくなった時点で、残りの区分、すなわち健康保険は国保、年金は国民年金に自動的に該当します。どちらも自分で加入手続きを行い、全額自己負担で、雇用主負担はどちらにもありません。登録手続きの詳細は個人事業主向けガイドをご覧ください。
フリーランスになったばかりの人が見落としがちな点が2つあります。
- 初年度は安く、2年目からは高くなることが多い。 国保は前年の所得を基に算定されるため、フリーランス1年目の収入が少なければ保険料も低く抑えられますが、丸1年分のフリーランス収入が記録に反映された時点で保険料は跳ね上がります。
- 雇用主負担分がない。 会社員は約9.90%の健康保険料と18.3%の年金保険料のそれぞれ半分を実質的に負担するだけですが、フリーランスは国保相当額に加えて月額17,920円の国民年金を全額自分で負担します。収入の少ない年にこの定額保険料が本当に払えない場合は、国民年金の免除・猶予ガイドを確認してください。
2026年のパートタイム勤務:いつ社会保険への加入が必要になるか
あなた自身が勤務先の社会保険に加入する義務が生じるかどうかは、次の条件で決まります。
- 週の所定労働時間 — 週20時間以上が基本的な判定基準です。
- 企業規模 — これまでは大企業だけが加入基準を満たすパートタイマーを加入させる義務を負っていましたが、この基準は段階的に拡大されています:従業員36〜50人の企業は2027年10月から、21〜35人は2029年10月から、11〜20人は2032年10月から対象になります。
- 月額賃金 — 2026年10月から変更。 これまではパートタイマーが社会保険に加入するには、月額賃金がおおむね88,000円以上(いわゆる「106万円の壁」)である必要もありました。2026年10月からは、この賃金基準が撤廃される予定です。勤務先が企業規模の基準を満たしていれば、賃金にかかわらず週20時間以上の勤務で加入義務が発生する見込みです。
わかりやすく言うと、扶養にとどまるために労働時間や賃金を旧基準ぎりぎりに抑えるという戦略は、賃金基準がなくなり企業規模基準が拡大し続けることで、今後さらに難しくなっていきます。配偶者や親の扶養に依存している場合は、週20時間がまず注視すべきラインです — 契約上の労働時間を人事部に確認してください。自分自身の社会保険に加入することは必ずしも悪いことではありません。傷病手当金・出産手当金や自分自身の厚生年金の加入記録が得られますが、その分、手取り額は変わります。
退職時の3つの選択肢
関連記事: 退職代行を使って退職する場合は、退職手続き自体については退職完全ガイドをご覧ください。このセクションでは退職後の保険がどうなるかを解説します。社会保険は退職日をもって資格を失い、14日以内に新たな保険への加入手続きが必要です。選択肢は3つあります。
| 選択肢 | 仕組み | 保険料の傾向 | こんな人に向いている |
|---|---|---|---|
| 1. 任意継続被保険者制度(任意継続被保険者) | 退職前の健康保険を最長2年間継続できます。退職から20日以内に申請が必要です(申請には退職前2か月以上の被保険者期間が必要)。 | 退職時の標準報酬月額(2026年度の上限32万円でキャップ)×都道府県ごとの保険料率。ただし今度は労使双方の負担分を自分で払うため、在職時の給与天引き額のおよそ2倍になり、最長2年間その額で固定されます(いつでも任意脱退が可能)。 | 扶養家族がいる場合 — 追加保険料なしで扶養家族もそのままカバーされ続けます |
| 2. 国保へ切り替える | 退職から14日以内に市区町村役場で加入手続き | 市区町村が前年の所得と均等割(人数割・世帯割)を基に算定 | 扶養家族のいない単身者、または実際に見積もった保険料の方が安い場合 |
| 3. 家族の扶養に入る | 今後の見込み収入が基準以下であれば、配偶者や親の社会保険の被扶養者として加入できます | 0円 | 加入基準を満たす働いている配偶者や親がいる場合 — 無料に勝るものはありません |
判断の順序: まず選択肢3が使えるかを確認してください — 無料であることが何よりも優先されます。使えない場合は、20日の期限が来る前に、人事部から任意継続の実際の保険料、市区町村役場から国保の見積もりという、実際の数字を取得してください。推測で決めないこと。金額差は所得や世帯人数によって大きく変わります。扶養家族の有無も考慮してください — 誰かを扶養している場合、任意継続の定額の家族料金は、国保の頭数課金より通常は有利です。年金は別制度であることも忘れないでください。任意継続は健康保険のみを継続する制度なので、第3号被保険者に該当するか、すぐに新しい勤務先の社会保険に加入しない限り、国民年金にも14日以内に加入する必要があります。日本を完全に離れる場合は年金の脱退一時金ガイドを参照してください。最後に、この選択は一度決めたら変えられないわけではありません。2022年1月の制度改正により、任意継続はいつでも任意で脱退できるようになったため、実際の数字を確認した結果、国保の方が安いとわかれば、後から切り替えることもできます。
よくある質問
社会保険と国民健康保険、どちらが安いですか?
これは扶養家族の有無や収入次第であり、どちらの制度が「優れている」かという話ではありません。働いていない配偶者や子どもがいる世帯では、扶養が追加負担なしで、扶養配偶者の年金保険料も無料になるため、社会保険が有利になることが多いです。単身者の場合は差が小さいことが多く、特に低所得の年は国保の方が安くなることもあります。推測せず、人事部と市区町村役場から実際の数字を取得してください。
退職すると保険はどうなりますか?
社会保険は退職日をもって資格を失います。その後14日以内に新しい保険への加入手続きが必要です。旧保険を任意継続する(退職から20日以内に申請)、国保に切り替える、家族の社会保険の扶養に入る、のいずれかを選びます。第3号被保険者に該当するか、すぐに新しい勤務先で働き始めない限り、年金についても14日以内に国民年金への加入が必要です。
退職後は任意継続が常にベストな選択ですか?
いいえ。扶養家族がいる場合は特に有利です。扶養家族もそのまま無料でカバーされ続けるからです。単身者の場合や、これから収入が大きく減る予定がある場合は、国保の見積もりの方が安くなることがあります。任意継続の保険料は退職前の給与水準のまま最長2年間固定されるためです。20日の期限が来る前に、実際の数字を比較してください。
フリーランスが社会保険に加入できることはありますか?
基本的にはありません。社会保険は誰かに雇用されていることが前提の制度です。従業員のいない個人事業主は、原則として国保+国民年金になります(自分の会社を設立し、その会社の従業員として自分自身に給与を支払う形にした個人事業主は別の、より複雑なケースです。検討する場合は専門家に相談してください)。
パートタイムの労働時間はどの制度に加入するかにどう影響しますか?
該当する企業規模の基準を満たす勤務先で週20時間以上働くと、扶養にとどまったり自分で国保に加入したりするのではなく、その勤務先自身の社会保険への加入対象になる可能性がますます高くなります。2026年10月からはこの判定における賃金基準がなくなるため、賃金ではなく労働時間が主な判定基準になります。
国保に加入している場合、国民年金は別途支払う必要がありますか?
はい。両者は別々の制度で、請求も別々です。国保は健康保険のみをカバーし、国民年金(2026年度は現在月額17,920円、所得にかかわらず一律)は別途加入・納付する必要があります。
国保でも傷病手当金や出産手当金は支給されますか?
実務上はほとんどありません。市区町村は法律上、裁量で傷病手当金制度を設けることができますが、通常の病気に対して実際に支給している自治体はほとんどありません。また国保は出産手当金を一切支給しません(社会保険と同じ一時金である出産育児一時金は支給されます)。フリーランスとして病気や休業中の収入減少が現実的なリスクであれば、民間の就業不能保険でこのギャップを埋める価値があります。
出典
- 日本年金機構 — 厚生年金保険料率:合計18.3%、労使折半9.15%/9.15%、2017年9月以降変更なし: https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-01.html
- 日本年金機構 — 国民年金(国民年金)の2026年度(令和8年度)月額保険料:17,920円/月: https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/hokenryo.html
- 全国健康保険協会(協会けんぽ) — 2026年度(令和8年度)全国平均保険料率9.90%、都道府県別保険料率表: https://www.kyoukaikenpo.or.jp/about/business/insurance_rate/premium_prefectures/r08/index.html
- 協会けんぽ — 任意継続被保険者制度のルール:退職から20日以内の申請、2か月以上の加入期間が必要、最長2年間、2022年1月以降は任意脱退が可能: https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3270/
- 協会けんぽ — 2026年度 任意継続被保険者の標準報酬月額の上限(32万円): https://www.kyoukaikenpo.or.jp/news/r07_dec/1259.html
- 厚生労働省 — 社会保険の適用拡大に関するポータルサイト(週労働時間・企業規模・賃金要件の段階的廃止): https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/jugyouin/taisho/
- 厚生労働省 — 「年収の壁」制度改正ページ、2026年4月からの扶養収入判定基準の変更: https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html
- 衆議院 公式質問主意書に対する答弁記録 — 市区町村国保の傷病手当金は裁量的であり、通常の病気に対してはほぼ実施されていない: https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a210044.htm
関連ガイド
- 国民健康保険(国保)完全ガイド — 加入手続き・保険料・2027年ビザ連動支払いの詳細
- 来日者向け健康保険・年金の加入ガイド — 初めての加入手続き
- 高額療養費制度ガイド — 両制度に共通して適用される月額上限
- 国民年金の免除・猶予ガイド — 国民年金の支払いが本当に厳しい場合
- 年金の脱退一時金ガイド — 日本を完全に離れる場合の年金保険料について
- 日本での退職ガイド:退職代行 — 退職手続き自体について
- 日本で個人事業主として開業する方法 — フリーランス向けの登録手順
- 日本の給与明細の読み方 — 社会保険の天引きが給与明細にどう表示されるか
最終更新: 2026年7月
この記事を保存しませんか?
手続きの当日にまた必要になります。ブックマークして、いつでも見返せるようにしておきましょう。
最新のビザ情報を受け取る
ビザの要件変更や、新しい在留資格に関する重要なお知らせをメールでお届けします。
免責事項
※ この記事の情報は、執筆時点で正確です。法律や規制は変更される可能性があるため、常に公式ソースで最新情報を確認してください。この記事のコンテンツについて生じた損害については一切責任を負いません。